故障する前に

鍵が故障するときは必ずその前兆があらわれます。
何か少しでもおかしいなと思ったら早めに修理やメンテナンスをお願いしましょう。
本格的に壊れる前に鍵を修理しておけば錠前までは交換しなくて済む可能性があります。

また、鍵が壊れてしまうと建物の中に入れなかったり、部屋の中に閉じ込められてしまう可能性があります。
特にトイレのドアや浴室の扉の鍵が壊れて中に閉じ込められてしまうと大変です。
トイレと浴室の鍵は壊れやすい鍵のツートップです。築15年以上経過しているようでしたら鍵はいつ壊れるかわかりませんので異常を感じたら早めに鍵屋に連絡しましょう。

閉じ込められてしまったら何時間もトイレの中にいなくてはなりません。家族に助けてもらえるのならまだいい方です。一人暮らしで閉じ込められてしまったら何時間も、ヘタしたら何十時間もトイレの中で過ごすことになります。

実際トイレに閉じ込められてしまった一人暮らしをしていた人は前の道を誰かが通りかかるのを24時間以上待っていたそうです。そして人が通りかかった時に携帯電話を借りて鍵屋を呼んだそうです。

トイレの鍵がおかしいけど誰か他の人がなんとかするだろう、と思って放置していると家族のうちのだれかが貧乏くじを引くことになります。人任せにしないで気がついた時に対応するようにしてください。

ガラスドア

事務所や店舗でガラスドアを使っている人が多いと思います。
このようなドアはガラスを割れば簡単に侵入できてしまうため、空き巣の被害に遭いやすいタイプのドアです。
店舗やオフィスの空き巣被害はこじ破りやガラス破りなど荒っぽい手口が多くなりますのでそのような手口の被害にあわないようにしっかり対策をしておくことが大切です。

まず、シリンダーはリバーシブルタイプの両側シリンダーにしておいたほうがいいでしょう。
サムターンタイプの鍵だと内側から鍵をつかわなくても開けることができますが、そのような手間を惜しんで窃盗の被害にあったら元も子もありません。
両側シリンダーにして内側から施錠するときも鍵をつかって閉めるようにしましょう。

それから鍵はひとつだけではなく補助錠を取り付けてワンドツーロックにすることをおすすめします。二箇所鍵がついていたらそれだけで侵入が難しいと判断され、空き巣への抑止効果が期待できます。

さらにガラスを防犯ガラスにすれば割られてしまうことはありません。

ドアとドア枠の間の隙間に金属プレートを取り付けるのも防犯になります。隙間があると器具を差し込んで無理やりこじ開けることができてしまうので危険です。

万が一被害にあったとしても未遂で終わるように細心の対策をしておきましょう。

ディンプルキー

最近はディンプルキーを使用している人の数が増えています。
ディンプルキーは精密な機械です。使用するにあたってのメンテナンス方法をご紹介します。

まず、ご自分が使用しているディンプルキーを一度じっくり観察してみてください。ホコリがたまっていたり、汚れているということはありませんか?
よごれを取る場合には歯ブラシをつかって温水できれいに洗い流してください。その後水分をしっかり拭き取って下さい。

シリンダーの方は揮発性のパーツクリーナーを十分に吹き付けて鍵を抜き差しして下さい。鍵を抜き取ると黒い汚れがついています。この汚れを綺麗に拭き取ります。この作業を2,3回繰り返して下さい。

鍵穴の中のホコリをエアダスターで吹き飛ばして下さい。そして2,3分放置して乾かします。十分に乾かさない状態では潤滑剤を入れないようにして下さい。
乾いたらディンプルキー専用の潤滑剤を使用します。機械油などで代用しないようにして下さい。鍵穴内にホコリが溜まりやすくなります。

その後再び鍵を抜き差しし、左右に5回転くらいさせます。ダスターで余計な粉末剤などを飛ばしたらお手入れ終了です。

このようなメンテナンスを年に2,3回はしておくことをおすすめします。

鍵が抜けない

玄関の鍵が抜けなくて困ってしまうことがあります。
わたしも先日マンションに帰ったところ、玄関の前で一人の男性が悪戦苦闘しているところに出くわしました。
なんでも鍵が抜けなくなってしまったそうです。
どんなに力をかけても抜けそうにありません。
賃貸物件ですし、管理会社に連絡することにしました。管理会社の人と電話をしていたところ、その男の人が抜けましたと言ってきました。
問題が解決したということでその場は丸く収まりました。

このような鍵を抜く際に引っかかったり重たく感じたり回りにくいなどといった症状は故障の前触れです。
トラブルになる前に修理しておくことをおすすめします。

ただし、抜けないのが勘違いということもあるそうです。
防犯性の高い鍵に交換した後など特に操作の仕方が変わります。縦向きや横向きなど正しく動かしていたら問題はありませんが急いでいたり無意識に前の鍵の操作をしていたら抜けなくなって「どうしたんだろう?」と混乱してしまうことがあります。

抜けないという時は鍵を別の向きに回転させて抜いてみましょう。
ガチャガチャしているうちに別の向きに回転させていて抜けなくなっているのかもしれません。特に鍵は日常的に無意識の動作となっているので意識的に違う方向へ動かしてしまっていることもあるかもしれません。